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いい交替役、みーっけ

 

二面性に心魅かれる時ってありますよね。

 

数年前に旅先で廃墟となった建造物を見た時に、その外観のおぞましさの中に栄えていた過去があったことを思うと、廃れた様が美しく感じたことを覚えています。

 

身近な場面では攻守交替の激しいスポーツを観戦していて、ついさっき派手な得点を挙げた選手が守備に奮闘してる姿を見た時にも同様に感じることがあります。

 

私がおっさんになったことも関係しているかと思いますが、先日バレーボールを観戦していて、試合のダイジェストに使われることもないであろうただのレシーブに涙腺がゆるみました。

 

おそらくその直前に鮮やかなスパイクを放った人物の、ボールに飛びつくレシーブという行為に二面性を感じたからだと思います。

 

「二面性は、時に美しさを帯びるものである」

 

おそらくこんな文言を、中世の芸術家の誰かがどっかの文献に残しているはずです。

 

とにかく、二面性をもつ事象はいいですよね。

 

ポケモンカードにも、そんな二面性を感じさせてくれるカードがありました。

 

ピカチュウゼクロムGXです。

 

普段、その高い攻撃力を生かして前線でゴリゴリ攻撃している彼らですが、今回は240ある高いHPに注目し、その耐久性を最大限感じられるデッキを作ってみました。完成したデッキがこちら。

 

 

エレザードデッキです。

 

エレザードはちょっと変わった効果のある技を持っていますので、見てみましょう。

 

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技「ボルトチェンジ」は自分のベンチに雷ポケモンがいる場合、プレイヤーに入れ替えを強いる効果を持っています(雷ポケモンがいない場合、入れ替えはおこらない)。

 

なかなかのヘンテコ技です。

 

技を打った後に入れ替えるということは、エレザードの代わりにバトル場に出たポケモンがダメージを受けることになります。

 

では、誰にダメージを受けてもらうのがいいのか。

 

ボルトチェンジの技のダメージは90しかなく、相手のポケモンを一撃で倒すことは難しいので、一撃で倒されてしまうポケモンエレザードの代わりに差し出していては、先にサイドカードを取りきられてしまいます。

 

そこで、このピカチュウゼクロムGXの出番です。

 

HP240のポケモンをそう簡単に一撃で倒すことはできません。

 

このデッキは毎ターン、ピカチュウゼクロムGXが倒されないようにまんたんのくすりとアセロラで回復させながら、ボルトチェンジで攻撃していきます。

 

 

毎ターンピカチュウゼクロムGXがバトル場に出るということは、当然逃がす手段も必要になってきます。

 

長らくポケモンを逃がす定番グッズであった「かるいし(つけているポケモンの逃げるエネルギーがゼロになるどうぐ)」が使えない現在では、ポケモンいれかえが代用されていますが、使いきりのグッズであるため毎ターンバトル場のポケモンを逃がすコンセプトには不向きです。

 

そんなコンセプトの助けになるのが、このシルヴァディGXの特性ジャイロユニットです。

 

場にシルヴァディGXがいるかぎり、たねポケモンのにげるエネルギーがなくなるため、攻撃に移る際、容易にエレザートとの交換が可能です。

 

また、エリキテル以外のポケモンでスタートした時に2ターン目からスムーズに技を使うことも助けてくれます。

 

雷タイプには特性じんらいゾーンをもつ大御所のゼラオラGXというカードが存在しますが、ゼラオラにはないシルヴァディの強みがあります。

 

それは、毎ターンエレザードにエネルギーをつけられる点です。

 

特性じんらいゾーンは雷エネルギーがついていないとにげるエネルギーをゼロにできません。

 

そのためゼラオラを使う場合、まんたんのくすりで全回復したピカチュウゼクロムに再度つけなければなりませんが、そうなると相手のグズマエレザードが呼ばれて倒された場合に備えて、2体目のエレザードにエネルギーをつけられなくなってしまいます。

 

与えられるダメージが少ないデッキなので、技を使えないターンがあっては致命的です。

 

また、シルヴァディに雷エネルギーを1個つけておくと強力なGX技であるリベリオンGXも狙えるため、その点でもゼラオラより優れています。

 

  • 楽しさが、スパークする

 

このデッキを回す際の大事なポイントは、エレザードを1体メタモンから進化させておくことです。

 

そうすることで、ベンチにエネルギーのついていないエリキテルを1体用意しておく余裕が生まれ、ピカチュウゼクロムを回復させることができなかったターンに、ボルトチェンジ後に代わりに場に差し出すことができます。

 

エリキテルは倒されても、サイドカードを1枚しか取られないため問題はありません。

 

まんたんのくすりやアセロラを手札に保持しながらドローできるようマーマネも採用しています。

 

エーテルパラダイス保護区も駆使して、ピカチュウゼクロムが倒れないよう頑張って回復させてあげて下さい。

 

さて、このエレザードデッキの魅力が少しでも伝わりましたでしょうか。

 

ピカチュウゼクロムの二面性、感じてもらえたでしょうか。

 

グズマというカードが存在するため、強いデッキではありませんが、相手が蓄積してきたダメージを帳消しにできる、まんたんのくすりやアセロラをデメリットなしで使用できることに加え、ボルトチェンジでぐるぐる入れ替える作業があるので使っていて楽しいデッキです。

 

また、今回はピカチュウゼクロムを使いましたが、構築次第で1枚のカードに別の役割をもたせることができるカードゲームの楽しさを感じることもできます。

 

あとこれも付け加えておきたいのですが、このエレザードのイラスト、大好きです。

 

日光浴の最中なのでしょうか。とても気持ち良さそうです。

 

顔の面積が広いと、太陽光を効率良く吸収できそうですよね。

 

顔のでかい私も、もしかしたらこれまでその恩恵を受けてたかもしれません。

 

気付きを与えてくれてありがとう、エレザード

 

間違えました。楽しい時間をありがとう、エレザード。でした。

 

ガチガチなバトルをした後の息抜きに、このデッキに「チェンジ」してみてはいかが。