ミルクを見せつけろ
いきなりですが、「ポロリ」したことありますか。
いかがわしい質問みたいになってしまいましたが、違います。
ポケモンカードにおけるポロリ(勝手に命名してます)とは、対戦中に手札の一部がスルっと場に落ちて、相手に持っているカードを知られてしまうことです。
相手に手札を明かしてしまうことは、次の相手のターンの選択を助けてしまうため、自発的に行うことはありませんが、例外的なデッキがあります。
それが、今回のミルタンクデッキです。
早速、ミルタンクの技を見てみましょう。
はい。ヤバイです。
かなりのオモシロ技です。
宣言するたびに、ちらりと手札を明かすことをプレーヤーに強いる技はなかなかお目にかかれません。
さらに注目すべき点は、手札にある「モーモーミルク」を好きなだけ~と書かれているところ。
これはたとえば、手札にモーモーミルクが3枚あり180ダメージを与えられる状況でも、次の相手のターンの、ジャッジマンやマーシャドーの特性やぶれかぶれの使用を避けるため、2枚しかモーモーミルクを持ってないことを装うこともできるのです。
相手に手札を見せるだけでも楽しいのに、こんな駆け引きまで楽しめちゃうなんて。
ミルタンク、お前イイ技もってるでねえの。ミルタンク万歳です。
が、しかし、デッキの60枚の中の特定のカード3枚、ないし4枚を手札に簡単に揃えられるほど昨今のポケモンカードは甘くありません。
でも、「ミルクほう!240ダメージ!」って宣言したい。
そんなワガママなおっさんの願いを叶えてくれるカードがこちら。
特性エアメールをもった、ピジョンです。
ミルタンクデッキはモーモーミルクを手札に保持し続けなければならない都合上、今ある手札を戻して引きなおす、万能ドローサポートであるシロナを構築にいれることができません。
また、リーリエも手札にモーモーミルクがたまってきた後半はリーリエを使用することさえできなくなります。
こうした手札を保持しながら戦うタイプのデッキに相性がいいマーマネを採用していますが、それでも4枚のドローではモーモーミルクを揃えることは難しいです。
そこで、このピジョン君の出番です。
山札の上から2枚見て1枚選ぶという効果は、有名なゾロアークGXの特性とりひき(手札を1枚トラッシュして2枚引く)に劣るように思われますが、先のドローサポートマーマネは使用時に2枚のトラッシュを強いるため、これ以上手札をトラッシュに送ることが厳しい手札事情にも優しいです。
加えて、HPが60なのでウツギ博士のレクチャーで持ってこれる、つまり2ターン目以降のウツギ博士のレクチャーがドローサポートに変わる点もピジョンの方が優れています。
もう1つ、ゾロアークGXに勝る点があります。
自分の場のポケモンをピジョン3体、カラマネロ2体、ミルタンク1体で構成することで、以下の動きが可能になります。
この1から4の動きを毎ターン確保することができる点です。逃げるエネルギーが2個のゾロアークGXにはできません。
エアメール3回で山札を6枚めくり、さらにマーマネ、アカネを使用すると10枚ほど山札を掘ることになります。
この動きを想像しただけで、モーモーミルクを引けた気になってきませんか。
実際、引けます。たとえ引けなても、「山札をたくさん引く」というポケモンカードの楽しさを体感できるはずです。
ピジョンの強さ、伝わりましたでしょうか。
ピジョンについて熱く語ったせいか、私にはこころなしかピジョンの顔がさっきよりも勇ましく見えてきました。
- ミルタンク操縦方
まずはピジョン3体、カラマネロ1体を育てることを優先して下さい。
ダブル無色エネルギーがあるため、序盤はカラマネロ1体でも技が打てます。
マーマネ、もしくはハイパーボールでアカネか超エネルギーをトラッシュに送ることができれば理想的です。
後半はアカネで5枚ドロー、7枚ドローをしてモーモーミルクを揃えます。
気をつけなければならない点は、4枚目のアカネ、マーマネはトラッシュせずに保持しておくことです。
手札がジャッジマンなどで流されても、薄くなった山札からエアメールで触れることで、再度モーモーミルクを手札に招き入れやすくなります。
- ミルクを飲み終えてみて
序盤にきちんとピジョンを育てることができないと何もできずに負けてしまいますが、きちんと回った時の爆発力は保障します。
何より、ミルクほうを引けた時の喜びはこの上ないです。
喜びが顔に出やすい方は、相手に悟られないようご注意下さい。
また、このデッキは「ミルクほうを打ってGXポケモンを一撃で倒す」ということを達成するために特化しているため、グズマや相手のスタジアムを張り替えるためのカードは入っておりません。あしからず。
さて、ミルタンクの魅力、伝わりましたでしょうか。
ミルタンクのイラストの背景で躍動するアカネちゃんなりきって、あなたもミルタンクを活躍させて下さい。
ミルクほうが、勝利の祝砲に変わりますように。
弱いけど、愛しい
58個。
突然ですが、何の個数だか分かりますか。
本当はスケジュール帳に記された彼女とデートしたことを示すハートマークの個数であってほしいのですが、もちろん違います。
正解は、私が2018年の1年間で作ったポケモンカードのデッキの数です。
Mリザートンマギアナ
グレイシアアマルルガ
新種の呪文ではありません。
デッキのメインを飾るポケモンの名前を連結させる、ポケモンカード特有のデッキ名の表現方法にのっとって記した、作ったデッキ達の一部です。
この羅列を見て、どういう戦い方をするデッキなのかパッと連想できる方は少ないかと思います。
それもそのはず。いわゆる環境デッキ(公式大会などで上位に入賞しうるポテンシャルをもったデッキ)ではないため、インターネット上で話題になることなどありません。
2018年12月現在、ポケモン図鑑に登録されたポケモンの数は807体、スタンダードレギュレーションで使用できるカードの枚数はポケモンだけで2021枚にものぼります。
しかし、公式大会やジムバトルで活躍できる(競技的な使用に耐えうる)ポケモンの数、デッキの数は一握りです。
私はこの現状を好ましく思っていませんが、しょうがないとも思っています。
明らかにカードごとに強弱の差があり、ユーザーに強いと位置づけされるカードは毎月発売される新弾のカード群の一部のみであるからです。
でもやっぱり見たいんですよ。いろんなポケモン達の活躍する姿が。
じゃあどうすればいいのか。
クリーチャーズ(ポケモンカードゲームの開発を手がける会社)に私と同志の者達の署名を集めて、抗議文でも送りつけるのか。
「全ポケモンに平等に活躍の場を与えよ」
大げさな声明すぎます。そんな失礼なことできません。今でも十分すぎるぐらい楽しませてもらってます。
そこで、弱ポケモンへの救済心が強い私は立ち上がりました。
「俺が活躍させてやる!」
おっさんポケモントレーナー生誕の瞬間です。
そう思い立ってから、私のデッキ創作ライフが始まりました。
歯を磨きながら、コーヒーを淹れながら、上司の長い話を聞きながら、常にデッキのことを考えています。
衣食住に「創」がくっついた衣食創住な私の生活から生まれた強くないデッキ、私はこれらのデッキを
「B級デッキ」
と勝手に命名しています。
はっきり言って、弱いです。でも、全く勝てないわけではありません。
ポケモンカードゲームの魅力は存分に詰め込まれています。
だから、使っていて楽しいです。対戦に負けても、このデッキ駄目だなで終わることがありません。
むしろ、第一線のデッキに対して、よくぞ健闘してくれたと愛しさが込み上げてくるほどです。
そんな、弱いけど、愛しいデッキを自称B級デッキ仕立て屋である私がこのブログで紹介していきます。
B級デッキがあちこちのテーブルの上を賑わす日が来ることを祈って。